ライン作業者についてどんなイメージがありますか?きっとポジティブなイメージはないかと思います。でも実際は実に合理的で素晴らしい仕事なんです。
今回は私が工場で任されている仕事、「ライン工」について書いていきたいと思います。オシャレに言うと、「ラインオペレーター」とも言うらしいですw
工場で必要な現場を任されるライン工。そもそもライン工とは何でしょう?
ライン工とは?
・ライン生産方式による製造現場において、作業に従事する作業員をライン工(ラインこう)と呼ぶ。
ウィキペディア参照
みなさんがイメージているライン作業者で合っていると思います。では現職者の私から「ライン工、ライン作業ってどう?」について説明したいと思います。
この記事の目次
ライン作業は辛い?いやこんな良い仕事はない!
ライン工で調べると「辛い、つまらない、大変」などマイナスな意見が多いですね。確かに「ライン工最高!」とは言えません。でもそもそもやっていて楽しい仕事、休日を取るのも嫌な程、没頭できる仕事ってのもないでしょう。
どの仕事に良い所と悪い所がある。その中でライン工は悪い部分が少ない仕事だと思っています。
最初に結果を言えば、私が今までやった接客業や営業に比べれば、「こんな良い仕事はない」と言うことです。その理由を1つずつ説明していきます。
その1、仕事中なのに頭が解放される
ライン作業は主に、「流れてくる製品に部品を取り付け、後工程に流していく」という作業です。作る製品がガンダムロボならば、前工程がガンダムの「胴体」を作って後工程に流す。
後工程は、今度は腕部分を作り合体させてさらに後工程に流す。7つの工程を経てようやくガンダムが完成!
大まかに言えばこんな感じがライン作業の流れです。
単調な作業ですが、もちろんライン工独特の旨味も多数あります。
体が覚えれば、頭は空にできる
私が工場をおすすめする理由に、毎回一番最初に浮かぶのが「頭を空にできる」です。特にライン作業はその恩恵を絶大に受けれます。
さっきの例で言えば、私は1日に何個もガンダムの腕を付ける訳です。それを一年やったらどうでしょう?もう頭で考える必要もなく、体が勝手に仕事をしてくれます。
体が仕事を覚えれば、頭は別の事を考える余白が生まれます。
例えば、仕事中私はこんな事を考えています。
来週の休みはどこに行こう。
彼女の誕生日には何を買ってあげよう。
考える事なんて生きてれば嫌な程あります。それを仕事中にできるんだから、これ程有効な時間の使い方はありません。
もちろん安全第一ですよ!うわの空で怪我なんてのはもっての他ですから。
その2、誰に気を使う必要もない
基本的にライン作業は1人です。今までいくつかの工場で働いてきましたが、基本ライン作業は1人です。その為、余計な人間関係がありません。
私は過去に接客業で働いていました。ずーっと人と接していて本当に辛かった。対人関係が特に弱いんだと思います。
なので、1人作業できるライン工は楽です。はっきり言って仕事なんてそんなに大変じゃない。人と接する方、精神的な疲れの方がよっぽど私は消耗します。
まぁこれは私に限った事ですが、人間関係が苦手な人はライン作業に向いていると思います。
その3、機械はのめり込むと面白い
私は別に機械が好きな訳ではありません。子供の時もみんながミニ四駆造りに躍起になってる時もどこ吹く風状態。
何でそんな面倒な事するんだろ・・・作ってあるの買えば良いのに。
ドライだったのかも知れませんが、興味無かったんです。組み立てるものとか、そういう関連が面倒でした。もう面倒過ぎて作りたがりの友達に作ってもらい、完成したおもちゃで遊んでましたから。
しかしそれから20年強が経ち、毎日モノ作りの現場にいると考えも少し変わってきました。機械・・・こいつ中々面白い。
私は過去に「半だ付け」という工程を任された事がありました。
簡単に言えば、部品と部品を半だコテで接着して繋げるんです。その際、バーナーで製品を炙るんですが、それが面白かった。
どれ位の火の加減で半だが溶け、どれ位冷ますと半だが溶けないのか。こんな事まるで興味が無かったんですが、かなりのめり込みました。
きっと子供の頃、何かを組み立てる事に意欲があった人は、私よりライン工が向いてるんじゃないかと思います。
その4、技術があればすぐに出世するかも!
前述した半だ付けの仕事の話、職場には半だ付けのプロがいました。年齢は当時30歳で、私よりだいぶ上の先輩でした。この人が凄かった。
半だが溶けるタイミングが分かるのか、絶妙のタイミングで半だ付けをします。炙りが最小なので、余熱が半だ付けしない部分に回らず、出来上がりがめちゃ美しい。
私なんて真っ赤にしてしまうのに、その人はほぼ製品のまま半だ付けをしてしまう。凄いテクニックでした。その道30年の人と同等の技術です。
当然上からガンガン仕事を頼まれ、それをそれ以上にこなす先輩。高卒だった先輩も32歳にして係長になってしまいました。
ここもライン工の良い所。腕がある人はガンガン出世します。上司に媚びへつらう必要なんてない。腕は誰が見たって分かるんだから、ヨイショでは上がれない平等な世界です。
その5、休憩はしっかりきっかり
ライン作業は休憩がしっかりしています。10時と15時のベルが鳴れば、みんな一斉に休憩を取るので、「休みたいけどあの人がまだやってるから休みにくい・・・」とかはないです。
一般的にはラインは時間でストップしますからね。
ここもライン工の強味で、例えば営業職よ接客業なんかでは決まった時間に休憩取れないですよね?商談成立前のお客さん相手に、
「すみません15時の休憩なんで、10分後に戻って来ます」なんて言える訳ないw
決められた時間に休めると、それだけで予定が立てやすくなります。
ライン作業はトイレも気にせず行ける
私は昔からお腹がユルく、万年下痢をしています。1年のうち360日は下痢です。なので、仕事をしていて気になるのは「いつでもトイレに行けるかどうか」です。
ここも接客業や営業を例に出しますが、行けないですよね?中々自分のタイミングでは。もっと言えば、トラックやタクシーの仕事も無理です。私なら車の中に簡易トイレ設置しますねw
でも工場にはその心配がないんです。ライン作業だからずっとモノが流れてくるのに行けるの?と思うかもしれませんが、全然余裕です。そういう時のための人達がちゃんといますから。
そもそも私が働いてる工場でのライン作業は、流動的に部品を付ける訳じゃないんです。「受け取った製品を後工程に流していくという流れ」がライン作業です。
場合によって、大きなスラコンに製品が乗っかっていて、自分の目の前を通り過ぎるまでに片付けないといけない「モロのライン作業」もありますね。
某大手車関係の製造会社はそうでした。車がラインに乗っかり流れていて、入社時に度肝抜かれましたねw
ライン作業の定義は細かく言えば色々ありますが、まぁとにかくトイレにはいつでも行けます。
ライン工唯一の短所は、「退屈」
長所ばかり書いてきましたが、短所もあります。それはずーっと同じ作業をするので「退屈」だという事です。
退屈が過ぎると「やりがいの無い仕事」にもなっていきます。仕事にやりがいや達成感などを強く求める人は、正直苦痛と感じるでしょう。
ライン作業は単純です。毎日同じ物を、毎回同じ所に、毎回付けるだけ。
変わり映えない画です。自分的には体は同じ事をしていても、頭の中は別の事を考えているので退屈を感じる事はありませんが、人が好きで変化していく環境が好きな人は、とてもじゃないけど耐えれないでしょう。
でもそれは逆になっても同じ事。その人の性質によるんです。
私はライン作業が退屈と感じた事はありません。作業的な事でもう少し書くと、同じ作業でも「ここを短縮すれば、もう少し効率が良くなる」などの改善はできますからね。
この記事のまとめ・総括
「ライン作業は辛い?人見知りには最高な仕事だと思う理由5つ」をまとめます。
・仕事を体が覚えれば頭の中はフリー
・個人の仕事なので、無理な人間関係はいらない
・機械はのめり込むと面白い
・技術があれば、出世もしやすい
・いつでもトイレに行けるぞ!
・短所は退屈なこと
冒頭にも書きましたが、ライン工は悪いイメージが多い。でも実際現場には大卒の人も来るし、昔のイメージとはだいぶ変わったと思います。
安全性も高いし、ライン作業は基本的にマニュアル化されてるから初めての人だって割と早く仕事が覚えられます。しかもライン工は、意外な程大手が正社員として募集していたりします。
現に私は大手製造会社で働いています。2017年の冬ボーナスは普通に3カ月分!
高卒で長い事だらだら生活していた私だって、ライン工としてなら大手にもぐれ込めるんです。
座敷が低いのも、ライン作業のい良いところです。
もし仕事が続かないって人がこの記事を読んでくれているなら、騙されたと思って工場に行ってみてほしいですね!
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事があなたの役に立てれば嬉しい限りです!